亜鉛の不足と症状

亜鉛が不足すると味覚から精神まで全身にトラブルが

 

 

亜鉛は細胞分裂に深くかかわっているミネラルですから、不足してしまうと細胞分裂が正常に行われなくなったり、ほかにも多様な欠乏症が現れてしまいます。

 

 

世界で初めて亜鉛不足の症状が確認されたのは、中東で発見された成長障害の男性のケースでした。実年齢は20歳なのに亜鉛不足で細胞分裂が行われず成長が止まってしまい、10歳程度にしか見えなかったといいます。

 

 

今日の日本では成長障害がおきてしまうほど亜鉛不足におちいってしまう例はまず考えられませんが、軽度の亜鉛不足、潜在的な亜鉛不足は日常的におこっています。成人が亜鉛不足になった場合に現れる最初の欠乏症状が「味覚障害」です。現在、味覚障害の半数以上が亜鉛不足に関連するものとされ、現代人の亜鉛不足は解決すべき問題のひとつ。

 

 

味は舌にある味蕾(みらい)という細胞で感じとり、この味蕾は皮膚と同様に新陳代謝が早く約30日で細胞が生まれかわります。亜鉛不足で細胞の新陳代謝が遅れると、味蕾が壊れて味覚が狂ってしまうということなのです。

 

 

また抗酸化力の低下で肌にシミやシワが増えたり、精子の欠乏や勃起不全をおこしたり、爪や髪に異常が認められたり、精神的に気分が落ちこんだりなど、全身にさまざまな形で症状が現れるのが亜鉛不足の特徴。決して軽視すべからず、なのです。